2022/04/14

OLYMPUS PEN EES

今日の品は……
OLYMPUS PEN EES
巻き戻しレバー、シャッターボタン、
フィルムカウンター
 1962年に発売された「オリンパスペン EES」は35㎜ ハーフサイズカメラである。レンズは D.Zuiko 3cm (35 mm換算で 42 mm ) F2.8。ピント合わせは3点ゾーンフォーカス式。セルフコッキング式レンズシャッターでシャッター速度は1/30秒と1/250秒、絞り枚数は2枚(F2.8 ~ F22 )。露出調整はセレン光電池によるプログラムEE専用。ASA(ISO)感度設定はISO10~200。フィルム巻き上げはノブ、巻き戻しはクランクで行う。フィルムカウンターは逆算式で手動でセットする。
巻き戻しボタン、三脚穴、裏蓋ロック
フィルム感度設定とゾーンフォーカス指標
写真のピクトグラムは3m
 オリンパスペン EESは自動露出(EE)と3点ゾーンフォーカスを採用したモデルである。  ハーフサイズは、35㎜フルサイズ(ライカ版)の半分となる18mm × 24mmフォーマットである。ハーフサイズカメラの多くは縦構図が基本であるが、京セラ SAMURAIのようにフィルを縦に走らせて横構図で撮影できるカメラも存在する。ハーフサイズのメリットは本体をコンパクトにできること、撮影枚数が2倍になること。一方デメリットはプリント時の引き延ばし倍率が約1.4倍となり、画質の劣化を引き起こした。また撮影枚数が2倍になった分、短期間でフィルム1本を使い切れなくなったこと。さらにプリント枚数は2倍になるため、トータルコストがかかるなどの理由で廃れていった。EE機能はEV8~16まで対応し、シャッター速度はEV11を境に切り替わる。なおフラッシュ撮影時は1/30秒固定となる。セレン光電池円周にはASA(ISO)設定、およびフラッシュ撮影時の絞り値設定ダイヤルが設置されている。シャッターはセルフコッキング式で、露出不足、または露出過多の場合はシャッターロックがかかる(ファインダー内に機械的に赤指標が出現)。
裏蓋は取り外し式
 レンズ円周はピントリングとなっており、ポートレート(1.2m)、グループ(3m)、遠景(15m)にピクトグラムで表示(海外版は文字表記)されている。なおポートレート、遠景では止まらず、さらに回すことができる。ポートレート以下は0.9m、遠景以上は無限大である。フィルムカウンターは手動で設定する必要がある。フィルムを装填して3回の空写しの後、中央のダイヤルを指で押しながら撮影枚数を設定する。なおカウンターはエンドレスで回すことができる。
 本機は傷も少なく撮影可能と思われるが、光量不足時のシャッターロックが不安定である。そのためEE機能に若干の不安が残るが、ネガフィルムであれば問題にならないだろう。ハーフサイズの縦画面はスマホの画像フォーマットに近いため、縦画面での撮影に慣れていれば最初のフィルムカメラとして使ってみるのもよいかもしれない。




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