2020/12/15

OLYMPUS CAMEDIA FE-150


今日のジャンク品は…… 
OLYMPUS CAMEDIA FE-150
背面液晶は2.5型。本体がカードサイズ
なため、大きくみえる。
 2006年に発売された「オリンパス キャメディア FE-150」。有効画素数 500 万画素、レンズはオリンパスレンズ、35 mm換算で 32 ~ 96 mmに相当する3倍ズーム、F値は、F2.8 ~ 4.8 。最大4倍のデジタルズームを搭載する。電源に専用充電池 LI-42Bを1本使用する。記録媒体は内蔵メモリー(9MB)の他、1GBまでの xD-ピクチャーカードに対応する。
 角ばった本体はほぼ名刺サイズとなっており(奥行は約25 mm)、手の中に納まる大きさである。外装はおそらくアルミ製で、表面処理はヘアライン仕上げとなっている。背面液晶のサイズは2.5型、液晶ドットは大きめである。背面の操作ボタンの配置は一般的で迷うことはない。
上面にはスライド式のモードスイッチ、
シャッターボタンおよび電源ボタン
 エントリー向けの機種だけにデザインはシンプルで機能も多くなく、使いやすい機種である。ただし、内蔵さえているパノラマ撮影はカメラだけではできず、PCで専用ソフトによる処理が必要である点は注意が必要である。内蔵メモリは9MBしかなく、500 万画素のデジカメには少々もの足りないが、xDカードの入手が困難になっている現状では、撮影できるだけでもましなのかもしれない。

2020/12/01

EDX DL2000A

今日のジャンク品は……
 FILM CAMERA EDX DL2000A
A-8000と異なり、絞りを空けると
レンズ先端が伸びる。
 発売日不詳の「EDX DL2000A」。レンズは固定焦点50 mm F6.3。撮影距離は1.5 mから無限大。シャッター速度は不明、絞りは2枚、F6.3,8,11,16の4種。セルフタイマーによる撮影が可能である。電源に単3形電池2本使用する。
ペンタ部のウエストレベルファインダー。
モードダイヤルっぽいのは巻き上げ設定
本機はクレーンゲームの景品であり、「HENRYCON A-8000」とレンズまわりの仕様は一緒であるが、こちらは簡易モータードライブである。ただし、フィルム装填後に1枚目まで巻き上げる機能はない。A-8000では絞りを動かしてもレンズ周りに変化はないが、このカメラは絞りを変えると、レンズ先端のプラスチックフィルター(ただの薄いPET板)が前後に動く。レンズ周りの意匠はニコンの一眼レフレンズに似ている。ただし、記載されている数字、文字、ピクトグラム等はA-8000と同じである。モードセレクタのようなダイヤルは巻き上げ、巻き戻しの設定だけである。ダイヤル色が金色なのは中華的仕様である。
A-8000と比較すると巻き上げモーターとウエストレベル
ファインダーのためがこちらの方が一回り大きい
本機には透視ファインダーのほかに、ウエストレベルファインダーをペンタ部に備えている。このカメラは固定焦点であるから。構図合わせしか使えないが、フォーカシングスクリーンが小さいうえに倒立像なので慣れが必要である。「RED EYE REDUCTION」との表記があるが、単にシャッターボタン横の赤ランプがつくだけである。内臓フラッシュはないし、ランプ光自体も弱いので効果があるとは思えない。
 本機はA-8000より一回り大きく、電動巻き上げ、セルフタイマー、無駄なギミックと色々追加されて、トイカメラながら存在感がある。が、ネット上はあまり情報がない。そんなのを2台持っている。どうしようか。

2020/11/20

ベネッセ(進研ゼミ)デジカメZ

今日のジャンク品は……
ベネッセ(進研ゼミ)デジカメZ
背面液晶は2インチであること以外は
Vivitar ViviCam 5050と使い方は同じ
 2013年度まで進研ゼミ小学講座の努力賞240ポイントコースの賞品として提供された「デジカメZ」。有効画素数500万画素、レンズは35 mm換算で約45 mm(実測)。F値は、F2.8。最大8倍のデジタルズームを搭載する。電源に単4形電池を2本使用する。記録媒体は内蔵メモリー(16MB)の他、2GBまでのSDカードに対応する。
  内部仕様はトイデジカメながらvivid colorが面白いということで人気があった ViviCam 5050と同じである。違いは液晶が2.4インチ
液晶の大きさ以外は同じ
左:ViviCam 5050 右:デジカメZ
から2インチであること、グリップのゴム引きが省略されていること、設定画面がすべて日本語化されていることである。手持ちのViviCam 5050は液晶のバックライトが点灯しないが、本機によりその代替ができるようになった。
 レンズは固定焦点でマクロは切替式、通常域 0.5m~∞、マクロ域 11cm~18cmである。18 cmから50 cmの間はピントが合わないので注意が必要だ。SDカードスロットは本体下部にあり、スロットカバー付きである。USBコネクタはmini-B端子、ゴム製の端子カバー付きだが、劣化が進んでいる。
ViviCam5050と並べると
兄弟機であることがわかる
 以前からジャンクデジカメ関連のブログやサイトでも見かけて気になっていた機種である。努力賞の商品ながらマイデジカメが手に入るなら小学生にはうれしいと思う。小学生向けとするならグリップに「デジカメZ」と大きく書いてもよかったんじゃないかな。 まあ、自分が小学生だったら、前面の広い空白部分にシールを貼ってるかもしれない。

2020/11/06

National RQ-342

今日のジャンク品は…… 
National RQ-342
上段:早送り、巻き戻し、停止/イジェクト
下段:一時停止、再生/録音、(マイク)
  1980年ごろに発売された「ナショナル ミニカセットプレーヤ MODEL RQ-342」。電源に単3形電池を2本使用、再生可能時間はマンガン乾電池で約4時間。2トラックモノラルヘッド、録音方式は直流バイアス式、消去方法はマグネット式。マイク、背面に4.5 cmスピーカ内蔵、オートストップ機能付き(録再時)。Φ3.5 mmのマイク入力端子およびモノラル出力端子を持つ。テープ速度は4.8 cm/秒。ノーマルテープのみ使用できる。
録再ヘッドのすぐ手前にあるのが
オートストップレバー
 本機はスピーカー内蔵で、ヘッドホンなしで聞くことができる。ステレオ録音されたテープもモノラルで聞くことができる。本体側面にテープ操作に必要なボタン類が並ぶ。整然と並ぶボタン、かっちりした操作感、角張った本体・操作ボタンは今では見ることができない安心感がある。オートストップとは再生・録音終了時にのみ動作する機構のこと。再生中の早送り・巻き戻しが可能である。テープカウンターはない。当機は一応録再はできるがオートストップが効かない、ノイズが大きいなど経年劣化による不具合がある。インテリアとしていつまでも眺めていたいものだ。

2020/10/23

Panasonic LUMIX DMC-FZ10

今日のジャンク品は……
Panasonic LUMIX DMC-FZ10-K ブラック
Panasonic DMC-FZ10 商品概要
ポップアップ式のフラッシュは
ボタンによる手動式
2003年に発売された「Panasonic LUMIX DMC-FZ10」。有効画素数 400万画素、レンズはライカDC VARIO-ELMARITレンズ、35 mm換算で 35 ~ 420 mmに相当する 12倍ズーム、F値は全域F 2.8。最大3倍のデジタルズームを搭載する。電源に専用充電池 DMW-BM7 を1 本使用する。記録媒体は512 MBまでの SDカードに対応する。
背面はすっきりとしてなかなか良い。
EVFとLCDは排他切替式
 本機はEVFと背面液晶の両方を備えたレンズ一体型一眼レフ(ネオ一眼レフ)カメラである。全域F2.8の12倍ズーム実現のためにレンズが本体に比べかなり大きい。小型一眼レフに大口径ズームレンズを装着した感じだ。ボディバランスを考えれば本体を大きくしても問題なかっただろう。EVF、背面液晶どちらを利用しても撮影できる。せっかくならEVFはペンタ部にあればよかったと思う。手振れ補正機能があるとはいえ特に望遠側ではEVFを使用した方が手振れは押さえられる。
フィルムカメラを彷彿とさせる軍艦部
フラッシュは手動式で高めにポップアップする。標準~広角用と考えていいだろう。
軍艦部は一眼レフを彷彿させる。モードダイヤルにはプログラムAEの他に、絞り優先AE、シャッター速度優先AE、マニュアルが一つにまとめられている。使い勝手はよくないが、ないよりはあった方がいい。
 注意点は1GB、2GBのSDカード(SDHCカード以上は非対応)では、写真撮影は可能だが、動画の撮影・再生に対応していない。それを知らないと故障と勘違いする。本機がジャンク扱いされたのもその勘違いをしたのだろうか。そういうことは買った後からわかることも多い。

2020/10/14

CASIO EXILIM EX-JE10

今日のジャンク品は……
CASIO EXILIM EX-JE10BK
カシオ 製品情報 EX-JE10
背面液晶は大きめな分、操作系は
は小さめ。
USB接続端子はミニ8ピン平型タイプ。
 2012年に発売された「EXILIM EX-JE10」。有効画素数 1610万画素、レンズは35 mm換算で 26 ~130 mmに相当する5倍ズーム、F値は、F3.2 ~ 6.5。最大4倍のデジタルズームを搭載する。電源に専用充電池 NP-80 を1本使用する。記録媒体は内蔵メモリー(41 MB)の他、microSD、microSDHC、microSDXCメモリーカードに対応する。女性向けデジタルカメラとして発売された本機は、デザイン、開発から女性目線で進められた。本来ならば専用ジャケットと両吊りストラップによって、ポシェットかショルダーバッグのように持ち歩くことができた。レンズは広角よりで、風景写真、自撮り写真では有効である。従来のデジカメより横幅が短めで見た目よりコンパクトに仕上がっている。レンズ周りにデザインされた直径が縦幅とほぼ同じ円がアクセントとなっている。
 本機はバッテリーの充電をUSB経由で行うため、USBケーブルが必須である。ただし、USB接続端子はmicroUSBではなくミニ8ピン平型タイプである。残念な点である。

2020/09/30

CANON PowerShot 350

 今日のジャンク品は……
CANON PowerShot 350
(CANON CAMERA MUSEUM)
1機能1ボタンとし、背面上部に
整然と並んでいる。
電源は単三電池3本。入れ方の作法を間違えないこと
1997年に発売された「キヤノン PowerShot 350」。有効画素数 35万画素、レンズはCANONレンズ、35 mm換算で 43mm相当の単焦点レンズ、F値は、F2.8。AF非搭載である。電源に単3形電池を3本使用する。記録媒体は 16MBまでのtype1 CFカードに対応する。
側面にはフォーカスレバーと外部コネクタ
マニュアルフォーカスはマクロのみ
本機がPanasonic CARDSHOT NV-DCF1のOEMというのは有名な話。ボタン表記は全て英語表記(NV-DCF1は日本語表記)、操作系は1ボタン1機能とし、ボタン類は背面上部に集中している。レバー操作は背面モニター横にまとめられている。整然とした操作ボタン類に家電的な特徴が見られる。背面モニタにはわずかに上向きのチルト機能がある。
 このカメラの電池取付には作法がある。電池を外す時は全てグリップ下部から外し、入れる時は全てグリップ上部から入れる。特に中央の電池はこの順番を逆にすると、電池接点を破損する恐れがある。本体は縦長の大きさでホールディングは良い。CFカードは本体下部から装着する。ピント合わせは0.7 m以上は固定焦点、マクロ域( 3 cm~70 cm)はマニュアルでピントを合わせる。
 Powershotとしては異例の存在ではあるが、OEM供給元がパナソニックだけあって当時のデジカメとしては悪くないものだ。今風に作るとしたら、大型液晶、大容量バッテリー、高倍率ズーム付きAF、HD動画撮影機能付きになるのだろうか。見ているだけでいろいろ想像できる機種である。

2020/09/15

MINOLTA CLE

今日の一品は……
 MINOLTA CLE
(M-ROKKOR 40 mm F2 付 )
シンプルだがミノルタらしさが残る軍艦部。
レンズには専用フードを装着した。
下部には巻き戻しクランクと電池ボックス。
三脚穴の右端設置は残念なところ。
1981年に発売された「ミノルタ CLE」。ファインダーは実像式距離計付逆ガリレオ透視ファインダー、ブライトフレームは近距離パララックス自動補正付、ブライトフレームは28mm・40mm・90mmでレンズに応じた自動切換となる。シャッターは電子制御式横走フォーカルプレンシャッター、シャッター速度は1秒~1/1000秒、B、X(1/60)、レンズマウントはライカMマウントである。自動露出としてダイレクト測光による絞り優先AEを搭載している。ISO感度設定は ISO 25~1600、使用電池は SR44 または LR44 を2個使用する。
セルフタイマーを兼ねた電源スイッチは
賛否が分かれるところ。
本機は約40年前の製品ながら、クリアで明るいファインダーを今も維持している。手持ちのレンズはM-ROKKOR 40mmF2の標準レンズである。専用交換レンズは他に28 mm、90 mmが用意されている。このカメラには放電特性に優れ、液漏れリスクの低いSR44を推奨する。本体下部の電池ボックス近くのバッテリーチェックボタンを押すと、本体正面のセルフタイマーランプが点灯してバッテリー残量をチェックできる。三脚穴は右端に設置されているが、できれば光軸に沿って設置して欲しかったところ。セルフタイマーを兼ねた電源スイッチは本体に比べて安っぽく見え、高級感を損ねているようにみえる。
 測光方式はダイレクト測光である。レンズ側のシャッター幕には、ランダムドットパターンが印刷され、撮影時にも再度測光される。露出補正は±2段で設定できる。
 ミノルタの高級コンパクト機はこの後TC-1まで休止となる。値段もこなれてきているので、フィルムカメラを使うのであれば、一度手にしてはどうだろうか。

2020/09/07

マミヤ光機 MAMIYA-6 V型

今日のジャンク品は……
マミヤ光機 MAMIYA-6 V型
本機にはイエローフィルターとフードが付属していた
1953年に発売された「マミヤシックス V型」。6×6判スプリングカメラ、レンズはOlympus Zuiko 7.5 cm、35 mm換算で 41mmに相当する。F値は、F3.5。ファインダーは距離計連動逆ガリレオ式ファインダー、使用フィルムは120ロールフィルムを使用する。本機には専用革ケースのほかにモノクロ用イエローフィルター、フードが付属していた。
フィルム面を本体駆動部に密着させるための
フィルム圧板。これがないと撮影できない。
スプリングカメラはわからなくても、蛇腹式カメラといえば理解してもらえるだろう。スプリングカメラは構造上、ピント合わせは目測が一般的である。MAMIYA 6シリーズはバックフォーカシングという方式を採用してスプリングカメラに二重像合致式連動距離計の搭載を実現した。バックフォーカシングとはフィルム面を駆動してピントを合わせる方法だ。構造上この方法では、コマ間のばらつきが生じる。ピント合わせの際にはフィルム面を平面に維持したまま前後に駆動させるため、通常裏蓋に固定してあるフィルム圧板を本体側に装着して使用するようになっている。この圧板がないと正しく撮影できないので注意が必要である。
背面には巻き止め解除レバー、ピント合わせノブ、
フィルム番号確認の赤窓がある
本体背面は一般的なスプリングカメラと大きな差は見られない。裏蓋にはフィルム番号確認用の赤窓がある。上部右手にあるノブは、ピント合わせ用ノブである。駆動する部分が大きい割に、ピント合わせはかなりスムースである。ファインダーを挟んだ左にあるツメとロックは画面サイズの違いによる巻き上げ量変更ツメである。16は6×4.5、12は6×6版の撮影枚数を示す。
6×4.5版で撮影するときは
露光部の一部を遮光板で覆う
 6×4.5で撮るか6×6で撮るかは撮影前に決める。途中での変更は出来ない。切替は露光面を遮光板で遮光することで行う。この遮光板は本体組み付けなので、6×6で撮影する場合は、フィルムボックス内に収納出来るようになっている。ファインダーにも6×4.5用のマスクがセットできるようになっている。
 120ロールフィルムを使用するカメラの場合、ジャンクだと巻き取り用のスプールがない場合も多い。巻き取り用のスプールは、撮影後に残るスプールを再利用する。ない場合はカメラ屋さんに貰うか、期限切れのロールフィルムなどから取り出して用意しよう。

2020/08/25

MINOLTA DiMAGE A1

今日のジャンク品は……
ミノルタ DiMAGE A1
コニカミノルタ ニュースリリース
電子ファインダー、背面液晶は
90度上面へチルトする
ズーム焦点距離は35㎜換算の数値で書かれている
 2003年に発売された「ミノルタ DiMAGE A1」。有効画素数 500万画素、レンズはMINOLTA GTレンズ、35 mm換算で 28 ~ 200 mmに相当する 7倍ズーム、F値は、F2.8 ~ 3.5 。2倍のデジタルズームを搭載する。電源に専用充電池 NP-400 を1 本使用する。記録媒体は内蔵メモリー(64MB)の他、1GBまでの Microdrive、Type1,  Type2 CFカードに対応する。SDカードを使用したい場合、市販のSD-CF変換アダプタが必要になる。ただし、2GB以上は使えない。
 カメラメーカーらしいのはレンズ焦点距離が鏡胴に35㎜換算値で書かれているので非常にわかりやすい。高性能なGTレンズ28 ~ 200 mmは常用域を全てカバーできるレンズ構成である。
 MINOLTAは私がフィルムカメラの時代から愛用してきたカメラメーカーでもある。もっと早い時期にレンズ交換式デジタル一眼に移行すべきであったが、参入が遅れて十分なシェアをとれず結局カメラ事業から撤退した。老舗メーカーだっただけに残念でならない。

2020/08/14

MINOLTA TC-1

今日の一品は……
MINOLTA TC-1
レンズは至宝のG-ROKKOR 28mm F3.5
その写りは折り紙付きである
1996年に発売された「ミノルタ TC-1」。レンズはMINOLTA G-ROKKOR 28 mm F3.5。シャッター速度は8秒〜1/750秒の電子式レンズシャッター、露出は絞り優先AE、測光方式は中央重点測光及びスポット測光となる。ISO設定はDXコード対応、ISO6~6400まで対応、電源としてCR123Aリチウム乾電池を1本使用する。
G-ROKKORの描写を生かす
ターレット式完全円形絞りは4種類
コンパクトにしてシンプルな軍艦部
表示窓には照明もつく
高級コンパクトカメラ市場に満を持してミノルタが開発した「ミノルタ TC-1」。名刺ケースサイズを目指したその大きさは35 mmフィルムを使うAFカメラとしては非常にコンパクトである。外装にはチタン、グリップ部にシボ革の使用で高級感が漂う。コンパクトながらホールディングや感触は素晴らしい。レンズは高級レンズであるG-ROKKOR 銘の28mm F3.5。レンズシャッターであるが、絞りをターレット式にして4種類の完全円形絞りを取り入れた。レンズ性能と相まってレンズシャッターながら背景ボケも綺麗に写る。モードダイヤルは、AF/MF切替、ISO感度設定、セルフタイマー、赤目低減切替、フラッシュ設定、露出補正が個別に設定できる。設定値の変更はシーソーレバー式、MF中でもAFに瞬時に設定できるAFボタンが独立して設置される。背面上部に電源ボタン、表示窓照明ボタン、視度調整ダイヤル、スポット測光ボタンがある。軍艦部左にまとめた設定値表示は小型のモノクロ液晶にして高級感を損なわないようにしている。フィルム装填は一般的な方法とは逆にグリップ部にパトローネをセットし、ファインダー側に巻き取る方式である。ファインダー内にはピント位置表示を機械式で表示する。ファインダー内で機械的に指針が動く様子は感動ものである。もし持っているのであれば、フィルムを詰めて家族のワンシーンを切り取ってみてはどうだろう。デジカメとは違った写真となることは間違いない。

2020/08/04

HENRYCON A-8000

今日のジャンク品は……
HENRYCON A-8000
造りはそれなりだが、軍艦部の見た目は悪くない
発売日・メーカー不明の「HENRYCON A-8000」。レンズは固定焦点50 mm F6.3。シャッター速度は不明、絞りは2枚でISO100 の時F6.3,8,11,16の4種。

英語で書かれているが、要は固定焦点
αレンズなら距離が記載されている窓には
お天気マーク絞り値が書かれている
まだフィルムカメラが主流だった時代、安価なカメラとして固定焦点のカメラが販売されていた。中には玩具のようなカメラ(トイカメラ)もあった。初期は110ポケットフィルムを使用するものが多かったが、次第に35 mmフィルムに置き換わっていった。本カメラは安価なトイカメラであり、外観はミノルタ α-7000をイメージしたようだ。形式?も「α-7000」ではなく「A-8000」だし、レンズ鏡胴のデザイン、「LENS MADE IN JAPAN」「series 624181」「COLOR LENS」「FOCUS FREE」などツッコミどころ満載の表記も旧ミノルタαレンズのイメージを模している。レンズ先端には保護フィルター的な透明板もついている。αレンズではフォーカスリングになる部分は絞りの選択リングになっている。絞りは2枚羽で形状は正方形、クリックストップ式で4段階の絞りが選択できる。巻き上げはノブ式、順算式カウンターによる撮影枚数の表示窓付、巻き戻しクランク式である。最短撮影距離がわからないが、35 mmではなく、50 mmなので、あまり近くは撮れないと思われる。1.5 m以上離れればまず大丈夫だろう。基本的には日中野外での使用が前提である。ホットシューはあるので、外光オートフラッシュがあればフラッシュ撮影もできる。そういえばクレーンゲームの景品で似たような一眼レフ風トイカメラを取ったことを思い出した。実家に箱入りで放置してあるはず。探してみるか。

2020/07/27

Canon Demi

今日のジャンク品は……
 CANON Demi
キヤノンカメラミュージアム 「デミ」
軍艦部は「デミS」と同じである
レンズ鏡胴内側のダイヤルが
ゾーンフォーカスリング
1963年に発売された 35 ㎜ハーフサイズカメラ「キヤノン デミ」。レンズはCANON LENS SH28mm F2.8、35㎜換算で40mm相当になる。撮像画面は24 mm*18 mmの縦画面、ピント合わせは目測式でピクトグラフによるゾーンフォーカスである。シャッター速度は 1/30秒 F2.8 ~ 1/250秒 F22までのプログラムシャッター、X速度は 1/30秒、B(バルブ)。 露出は追針合致式プログラムEEである。フィルム感度設定はISO 10 ~400。
レンズ鏡胴外周はフィルム感度設定、
露出調整ダイヤルである
以前紹介した「キヤノン デミS」は本機の上位モデルにあたる。キヤノンカメラミュージアム 「デミ」の補足説明に「前後の外カバーの材質を真鍮から軽量なアルミ合金に変えた機種を社内ではデミ2という」との記載があり、本機はアルミ合金であることから(Canonの社内的には)「デミ2」ということになる。本機はファインダーの曇り、ゾーンフォーカシングリングの動き以外は年代を考えると良好である。デミS に比べてコンパクトである一方、ファインダーからゾーンマークは見えないので、ファインダーをのぞきながらのゾーン選択はできない。レンズ外周の大きいダイヤルは露出計追針の操作、B、X、及びフィルム感度設定に使用する。レンズ下部の絞り設定レバーはフラッシュの使用時に絞りを設定するためのものである。
 ハーフサイズカメラは、フィルム性能が向上し、スマホやチェキのような縦画面が主流になりつつある今、見直されてもいいと思うのだがどうだろうか。

2020/07/10

NHJ Che-ez! IT

今日のジャンク品は……
NHJ Che-ez! IT (Internet Archive より)
こちらが背面。ファインダー以外何もない。
操作部がこちらなら評価は違うのだが。
操作部は前面に配置。
なぜここに配置したのか疑問
2000年に発売された「Che-ez! IT(チーズ! イット)」。有効画素数 30万画素、レンズは35 mm換算で 45 mmに相当する。F値は、F7。電源に単3形電池を 2本使用する。記録媒体は内蔵メモリー(2 MB)の他 、128MBまでのType1 コンパクトフラッシュカードに対応する。
 本機は低価格デジカメ「Che-ez!」シリーズ初期に15,000台限定で発売された、MP3再生機能を持つデジカメである。それはいいが、MP3ファイルをたくさん入れると撮影枚数は減るし、プレーヤーとしては大きすぎである。本体は縦長の形状で操作面が背面ではなく前面にあるのが特徴だ。背面液晶はなく、通常背面にある操作部分、情報表示用のモノクロ液晶が前面に置かれているため、操作性は極めて悪い。
右から電源、シャッター/再生、モードダイヤル。
モードダイヤルは大きくて操作性は良い
本体はプラスチック製でモード切替ダイヤルは大きくて操作はしやすいが、ロックが弱く、知らない間に動いていることが多い。機能は撮影、ビデオ出力(画像再生)、MP3再生、ボイスレコード、PC接続だろう。USB接続(TYPE-B!)でPCカメラとしても使用できるが、ドライバがwin2000までしかないので、Win10では使用できない。電源は単3形電池2本仕様に対し、外部電源が5V仕様なのは、USB接続によるPCカメラ機能にあわせてあるからだろう。USB-DCケーブルがあれば、電池不要で撮影が可能だ。
 デジカメの初期にはよく言えば個性的、悪く言えば変なカメラも多かった。いろいろなアイデアを詰め込んだために失敗している例も多い。しかし、今の時代では遊び心のあるデジカメとして改めて見直してもいいと思う。

Kenko DSC880DW

今日のデジカメは……  Kenko DSC880DW (ケンコー・トキナー 旧製品ページ DSC880DW ) 設定画面は普通だけど 選択、決定の操作が独特  2013年発売の「ケンコー DSC880DW」。有効画素数800万画素、レンズは固定焦点式、35 mm換算で 14 mm...